2004年9月4日 フロントキャリパーのオーバーホール

CB750のフロントブレーキはあまり効きません。X9-250のブレーキが猛烈に効くので特にそう感じるのかもしれませんが、やはりブレーキは効いた方が安心です。と思っていながら日が過ぎていまいしたが、ある日、CB750ではじめて雨の中を走行すると益々効きが悪くなって怖い思いをしました。おまけにブレーキレバーがパツンパツンというか突然マスターシリンダー径が巨大になったかのようにレバーの握りしろが無くなりました。これは恐怖です。そこで、フロントのブレーキキャリパーをオーバーホールして、ブレーキパッドも雨の日でも効くものに交換することにしました。
片押し2ポッドというそうです。頼りない感じがします。これが左右についています。
パッドピンプラグを外してパッドピンボルトを緩めます。このボルトは固く締まっているのでキャリパーを外してからでは緩められなくなります。
バンジョーボルトも少し緩めました。
取り付けボルトを緩めてキャリパーをフォークのボトムケースから取り外します。
バンジョーボルトを外してキャリパーからブレーキホースを切り離します。このときバンジョーからブレーキフルードが漏れてくるので、ブレーキフルードストッパーで挟んでおきます。ホースから完全にフルードが抜けてしまうと最後のエア抜きが大変になるので、ここでふたをしておくわけです。ブレーキフルードストッパーは洗濯ばさみみたいなものですが便利です。
外したキャリパーです。めちゃくちゃ汚れているというほどではありません。
パッドピンボルトを抜いてブレーキパッドを外します。バンジョーボルトが入っていた穴からエアーを少しずつ吹き込んでピストンを外します。一気にエアーを吹き込むと片方のピストンだけ外れて残りの一つが外れなくなります。古いパッドや割り箸を挟んだりして二つのピストンが均等に出てくるようにしました。
ピストンの露出したところが錆びてるように見えますが実はピッチ・タール状のものがかちかちに固着しています。パッドグリスかブレーキフルードが熱で固まっているのでしょうか。ブレーキパーツクリーナーでもマジックリンでも熱湯でも落ちないので、ピストンを傷つけないようにカッターの刃で少しずつ削り落としました。
パッドピンボルトにもグリスらしきものがガチガチに固着しています。これではパッドが動けません。これもスライド部を傷つけないようにカッターの刃で削り落としました。
ダストシールとオイルシールをピックツールを使って取り外します。
古いパッドはあまり減っていません。シールも痛んでいません。
キャリパーを湯につけてマジックリンで丸洗いしました。本当はピストンを外す前に洗う方がいいのかもしれません。
きれいになりました。シリンダー内やオイルの経路にゴミが残らないよう注意しました。
新しいピストンシールとダストシールです。
ピストンシールとダストシールにシリコングリスを塗ってキャリパーにセットします。ゴム製のシールを傷つけないように細心の注意をはらいながら指の腹を使ってシリンダーの内側の溝にはめこみます。

ピストンシールに傷がついているとブレーキをかけたときにブレーキフルードが漏れてしまいます。考えただけでも恐ろしいです。

ピストンの外側に薄くシリコングリスを塗ってキャリパーにセットします。ピストンは軽く指で押すだけで滑らかに入っていきます。
新しいパッドです。パッケージの裏面に雨の日も良く効くと書いてあります。
新しいパッドをキャリパーにセットしてパッドピンボルトで止めます。パッド裏側のピストンが当たる部分には薄くパッドグリスを塗りました。
キャリパーをフロントフォークに固定してブレーキホースを取り付けます。

バンジョー部分のシーリングワッシャーは新品の銅ワッシャーに交換します。

さて恐怖のエア抜きです。タンクをブレーキフルードで満たします。
ブリーダにゴムホースを差し込んで一連のエア抜き作業を行います。

はじめはレバーを100回くらい握ってもスカスカです。ホースやキャリパーに振動を与えたり、レバーを弾くようにしたり、あの手この手を使って空気を抜きます。ブレーキホースの中のフルードが抜けていたようで、かなり手こずりました。

使った道具類です。パーツクリーナ、ブレーキフルード、ブレーキフルードを注ぐもの、ガラスビンとゴムホース、マジックリン、ドライバ、ボックスレンチ、六角レンチ、カッター、スパナ、ヤスリ、ピックツール、シリコングリス、パッドグリス、ネジロック、銅ワッシャ、ブレーキフルードストッパ、それから老眼鏡、コンプレッサーとエアガンも使いました。
試乗のためにバイクを道に出す段階で違いに気づきました。引き回しがやたら軽いです。いままではブレーキを引きずっていたのでしょうか。そして走行テストです。パッドが新しいので軽いブレキングだけにしましたが、それでもとても良く効くようになりました。タッチも格段に良くなりました。ゴムのシール類があまり痛んでいなかったのでこれほど良くなるとは期待していなかったのですが驚きました。それほど大変な作業ではないので時々オーバーホールしようと思います。

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